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美術・芸術の食わず嫌い

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絵画なり彫刻なり建築なり、いわゆる芸術と呼ばれるものの”感性”をできる限り論理的にかみ砕いていきたい。

 

①第一印象

そもそも芸術理解に知識や時代背景が必要で、自分には程遠い世界だと感じていることが多いが、そもそも芸術家もちょっとの理解のある人だけに認められたいとはあんまり思わない。だっていろんな人に褒められたいじゃん。
(恋人に宛てた歌とかは違うかもしれないけれど)

 

だから、直感的に作品を見て、「きれいだなあ」とか「抽象的でよくわかんねえや」とか、ましてや「こんなん俺の方が上手い絵かけるわw」なんてのでもいい
(最後のはけっこういるイメージ)
とりあえず何かしらの感情をその作品に向けてみる。

これが①第一印象である

 

言語化

作品を見て、①第一印象 を持ったら、今度はその理由を考えてみる。
たとえば、「たくさんの色が使われててきれいだなあ」とか「筆の跡がくっきり残っていて力強くてかっこいい」だとか。
はたまた「顔の輪郭が変、絶対俺の方が上手い」でもいいわけである。

ここで一度感じたことを言葉にすることで、自分がどういう印象を持ったのかよく理解できる。これが②言語化である。
慣れてくれば①、②はほぼ同時にできるようになる。

 

③インプット

ここではじめて、知識を入れる。
誰が描いた絵なのか、どういう時代背景のもとで作られたのか、などなど。

知識を得ることで作品に対する見方がガラッと変わることも少なくない。
ナントカ神話の誰々さんをモチーフにしてます、だとか、これは××皇帝が民に自分の恐ろしさを伝えるために描かせました、とか。
人を殺していても”暗殺”されたのか”討伐”されたのか、見方が180°変わる。

知識なくして絵の評価はできない。


しかし知識というものは諸刃の剣で、逆に辺に知識がある方が、①の段階で純粋な考察ができなくなってしまうかもしれない。

 例)これゴッホの絵なのかあ 確かによくよく見たら重ね塗りとか色使いとかすげえな

いやいやゴッホやからよく見てるやん。他の人でもすごいこだわってんのに。

 

こんな風に「はいはいゴッホやからすごいんでしょ」みたいなフィルターで作品を見てしまうと勿体ない。せっかくの自分の純粋な感性が濁ってしまう。
なので作品を見るときは、できれば何の情報もなしに見てほしい。

 

④感想

知識を入れたら、自分の考えを整理してみる。

例えば、
「かっこええ絵やと思ってたけど、自分の雄姿をわざわざ描かせた絵なんかい。ちょっとナルシスト気味でイタいなあ」とか

そしたらおのずと何かしら興味だとか、絵の好き嫌い、教訓めいたものなんかが得られる。

例にのっとると、「こんなアホな皇帝おるんか、世界には他にどんな皇帝がおったんやろ」とか「自分はカッコつけた写真は撮らんとこ」とか
まあ咄嗟の例であるから結論はしょうもないけれど、歴史・絵画に対する興味は少なくとも増すし、それ以上のものを得られるときもあるかもしれない。

 

⑤アウトプット

さいごに。しなくてもいいっちゃいいのだが、感想を何かしら発信することは有意義だと思う。友達に「こないださ~」と話してみる。美術館の帰りに連れと話す。そういう些細なことが印象に残るし、何より他人の意見が聞けるから考え方の幅は広がるだろう。

とまあ大それたことを言ってみたのだが、そんなに深く考えずとも最近あったことを友達に話すくらいの感覚でいい。芸術は難しく考えなくてもいいのだから。

 

ここまでだらだら書いてきたわけだが、結局は難しく考えずに気軽に芸術を楽しんでほしい。それだけ。たった5手順でいいならやってみようと思いません?
たった一人でもいいからこの記事が芸術の世界に踏み込む後押しになったのならとてもうれしい。